そうとう

2005年3月16日
自分が弱っているのが、よくわかる。
もちろん体でなく、精神的に。
人間は不便にできていて、
体の不調、たとえばガンなんか、
致命的になってからじゃにと自分自身で気づけない反面、
精神面については、必要以上に不調を主張してくる。
1000年生きて、いろいろ分からないことを知れたら、
と思っている人間にはひどく不便に思えてしようがない。

何気ない顔をして、高校の友達に会いに行くわけだけど、
実は内心気が気でない。
できちゃった婚の噂は書いたけど、
同学年内、連絡が誰からもまったく取れなくなった奴を除けば
誰もが誰かと結びついてて、結局学年全部の噂は回りまわる。
学年内で目立ってた奴なら特にスピードも速いだろうし、
なにか事件が起こって、その事の重大さが大きいのもあっという間に回る。

僕は同学年の友人に3人カミングアウトしている。

一人は、大学一年の頃、いや二年だったか、
酒にまだの見慣れていなかった自分は
なんとなしに、いや、誰かに話したかったんだろう、
電話で勢いに任せてカミングアウト。
恋愛感情なんて0で、別にする必要もなかったと思うのだが、
結果、今では音信不通。

一人は、大学二年の頃、
とある大学の哲学科に行っている奴が
あまりにも腹立たしくて、カミングアウト。
彼の話しぶりがなんともむかついて。
まるで彼の知りえる世界ですべてが説明できるよう。
まだ、ガキだった僕は反射反応的に
とんでもない情報を彼に上げて満足したわけです。
彼の一つの常識をつぶしてあげて、
当時の僕はほんの一瞬満足したのですね。
結果、音信不通。
まぁ音信不通については僕の性格も悪いし、
しかたないように思える。

一人は、某wakwak。
結果については、まぁ、ね。
現在、無反応状態。

最後の某はあれとして、問題は他2名。
人柄、思いやりを考慮しても、
周囲の親しい友達くらいには話していておかしくない。
酒の席でついうっかり、なんてことも十分ありえる。
今では、実は周知の事実なのかもしれない。
昨日久しぶりに会ってきた二人が知っていてもなんら不思議はない。

そんな中、高校の友達たちと、この時期よく飲みに行く。
僕は内心気が気でない。
実は彼らは知っているんだけど、
だまっていてくれるんじゃないだろうか。
もしそうだとしたら、僕は彼らの目の前で、
すさまじい茶番をやっていることになる。
彼らは僕の言う嘘をだまって聞き流してくれるわけだ。
そんな彼らはいい友達なんだろう。
けど、その場にいる僕は、みじめじゃないのか?

例えるなら、こうだ。
僕は友人からとある物をぱくった。
どうしようもなく欲しい物でつい手がでてしまった。
その友人を前に、ひどい奴がいるもんだよな、と言っている。
この友人とは親しく、ほんとは僕が盗んだんだと気づいている可能性も高い。
まぁ、あきらめるさ、新しいのを買うえばいいさ、と彼は言う。
ひどく背中がゾッとする状況じゃないだろうか?

この状況を改善するのは簡単なようで難しい。
1、彼らと交友を断つ。
2、一か八かカミングアウトしてみる。

1は手っ取り早い。
しかし、他人のおもしろそうな人生を見ることに
興味を抱いている人間にとってはこれほど辛いことはない。
僕は変なところに所有欲があって、
他人の人生を見ていたいのだ。
もちろん見ていてももらいたいのだが、
こっちは相方に見ていてもらえるだけで満足だ。

2はリスクがある。
もしかしたら、学年内に噂なんて広まっていないかもしれない。
僕にカミングアウトされた友人たちは、
言いたいのを我慢してくれているか、忘れているかもしれない。
そんな時にこれをやったら、完全に無意味で、やらないほうがいい。

結局僕は無難にすませる。
もしかしたら友人の好意に甘えているのかもしれない。
いや、甘えていると思ったほうがいいんだろう。
そうしたら、ちょっとのみじめさくらい甘受するべきじゃないのか。
そうは、考えてみるが、果たしてどうだろう。

そこで、逃避する。
エルトン・ジョンのYourSongを聞く。
相方がよく歌うMore than wardを聞く。
ほんとは電話をしたいところだが、
残念ながらKには独立した回線の電話がないので我慢する。
こんなときは、「ぼくはこうして大人になる」を読む。
二回も、三回も繰り返し読む。

長野まゆみの作品は、他の腐女子の書く作品に違わず、
いわゆるヤオイ、の世界だ。
登場する人物はすべて容姿端麗頭脳明晰。
そして、絶対にありえないと思える設定、展開。
普段なら、ありえねー、と一笑に付すところだが、
弱っているときには、このファンタジー、
ハッピーな世界がすごく気に入る。
特にこの作品は、話の展開がとても幸せで、お気に入りだ。

こういった、後ろめたさというか、不安というか、
足元がおぼつかないといえばいいのか、
高校の部活の仲間と会うときなんかも常に考えさせられる。
正直、悩みつかれたように思う。
時々振り返ってみると自意識過剰に思えなくもない。
でも結局、この悩みとずーっと付き合っていかなければいけないんだろう。
ま、俺がんばろう。

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