晴れの匂いは

2007年6月8日
匂う、いや臭うのほうが正しいのかな?
においがする小説、においがしない小説。
恩田 陸『ネバーランド』を読んでいてふと気になった。
http://www.amazon.co.jp/dp/4087475778

男が書いた作品は男のにおいがする。
女が書いた作品は男のにおいがしない。

いったい何が引き金になるのか知らないけど、
嗅覚の記憶を呼び覚ますような文章がまぎれていることがある。
普段気づきやすいのは「コーヒー」。
寝起きに飲むマグカップから湯気がたった、
なんて書かれたら軽く目を閉じて深く息を吸い込んでみる。
目の前にコーヒーの入ったコップなんてないけどね。
さておき。

女性作家の書いた男子高校生や男子中学生ってのは、
淡白で読み心地がよく食あたりも少ないから結構好きだったりする。
けれど決定的にひとつ欠けてる物がある。
におい。

男の首の後ろからでる匂い、
運動したあとのジャージを脱いだ瞬間に広がる匂い、
そういったものが想起されない。
吉田修一の『Water』で水泳部員4人が真夏に雑魚寝する場面なんて、
むんと胸躍る香りが息が詰まりそうなくらい匂って来るのに。

とりあえずコーヒーいれてこようかな。

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